相場の動き

築30年でいくら残るか、地域でこれだけ違う|港区61%、札幌市中央区27%

築年数による値下がりの度合いは地域によって大きく違います。実データで、築5年以内を100としたときに築31年以上がいくつになるかを比べました。

公開 2026-08-27

中古マンションの価格は築年数でどう下がるのかで、値下がりの度合いは地域によって違うと書きました。実際のデータで確かめます。

各地域の中古マンションについて、築5年以内の㎡単価を100としたときに、築年数区分ごとの単価がいくつになるかを計算しました。

築年数別の指数

地域築5年以内6〜10年11〜15年16〜20年21〜30年31年〜
東京都 港区10089871049161
東京都 渋谷区1008375837556
大阪市 中央区1009480794040
福岡市 中央区1008175634240
東京都 練馬区1007870605349
東京都 足立区1007358534947
札幌市 中央区1006251463527

築31年以上で残る割合が、港区は61%、札幌市中央区は27%。倍以上の差があります。

なぜ地域で違うのか

理由は、価格に占める土地の割合です。

マンションの価格は「建物部分」と「土地の持分」に分かれます。建物は時間とともに減価しますが、土地の持分は築年数では減りません。

土地が高い地域では、価格に占める土地持分の割合がもともと大きくなります。建物の価値がゼロに近づいても、土地の分が残るため下げ止まります。港区の中古マンションが築31年でも6割を保っているのは、価格の多くが土地だからです。

逆に土地が安い地域では、価格のほとんどが建物です。建物が減価すればそのまま価格に響きます。札幌市中央区で3割を切るのは、この構造の違いです。

下がり方の「形」も違う

数字を横に追うと、地域ごとに減り方の形が違うことがわかります。

港区は最初の10年でほとんど下がりません。 100 → 89 → 87 と緩やかで、築16〜20年では104と逆に上回っています。この逆転は、その区分に条件の良い物件が偏っている可能性が高く、値上がりを意味するものではありません。件数が限られる区分では順序が入れ替わることがあります。

足立区と練馬区は最初から一定のペースで下がります。 足立区は 100 → 73 → 58 → 53 と、築15年までで4割以上落ちます。ただし築21年を過ぎると49、47とほぼ止まります。下げ止まりは起きています。水準が低いだけです。

大阪市中央区と福岡市中央区は、築20年を境に段差があります。 大阪市中央区は築16〜20年で79、築21〜30年で40と、ほぼ半減します。この年代に何か構造的な違い(建築基準や供給された物件の性格)がある可能性がありますが、データからは断定できません。

使い方

築古を買うなら、土地の高い地域ほど有利です。 同じ築30年でも、港区なら6割残り、札幌市中央区なら3割を切ります。売るときの回収額が違います。

逆に、新築に近い物件を買うなら地域差は小さくなります。 築10年までの落ち方は、港区89に対し足立区73と差はありますが、築30年時点ほどの開きではありません。

自分の地域の表を見てください。 ここに挙げたのは7地域だけです。当サイトの各市区町村ページには、その地域の築年数別の単価と件数を掲載しています。

読むときの注意

これは同じ物件の値下がりではありません。 比べているのは「築5年以内の物件群」と「築31年以上の物件群」という別々の集団です。築古の集団には立地の良くない物件が多く残っている可能性も、逆に建て替え期待で高く取引される物件が含まれる可能性もあります。

件数を確認してください。 区分ごとの件数が少ないと、順序が入れ替わります。港区の築16〜20年が104になっているのがその例です。

リフォームの有無は反映されていません。 築古の物件には改装済みで売られたものが含まれます。ただし当サイトのデータでは、改装済みのほうがむしろ単価が低く出ることが多く、これは改装が必要だった物件と不要だった物件の差であって改装の効果ではありません。

まとめ

  • 築31年以上で残る割合は、港区61%、渋谷区56%、足立区47%、札幌市中央区27%
  • 土地が高い地域ほど下げ止まりが強い。価格に占める土地持分が大きいため
  • 下がり方の形も地域で違う。都心は最初の10年が緩やか、郊外は最初から一定ペース
  • ただし比べているのは別々の物件群であり、1棟の値下がり曲線ではない

各地域の築年数別の数字は、市区町村ページの物件種別ごとに掲載しています。