相場の動き
政令指定都市の区ごとの相場差|神戸市は7倍、仙台市は1.2倍
同じ市の中でも区によって㎡単価は大きく違います。ただしその倍率をそのまま立地の差と読むと間違えます。実データで格差と、その数字の落とし穴を確かめます。
公開 2026-08-27
政令指定都市は複数の区に分かれています。同じ市内でも区によって相場は違いますが、その差がどれくらいかは市によってまるで違いました。
中古マンションの㎡単価中央値(直近1年、取引30件以上の区)で、市内の最高と最低を比べています。
市内格差のランキング
| 市 | 倍率 | 最高の区 | 最低の区 |
|---|---|---|---|
| 神戸市 | 6.98倍 | 兵庫区 85.7万円/㎡ | 北区 12.3万円/㎡ |
| 名古屋市 | 5.00倍 | 中区 80.0万円/㎡ | 南区 16.0万円/㎡ |
| 横浜市 | 3.78倍 | 西区 105.0万円/㎡ | 旭区 27.8万円/㎡ |
| さいたま市 | 3.27倍 | 浦和区 81.7万円/㎡ | 見沼区 25.0万円/㎡ |
| 札幌市 | 3.17倍 | 中央区 37.2万円/㎡ | 南区 11.8万円/㎡ |
| 大阪市 | 3.04倍 | 浪速区 95.0万円/㎡ | 住之江区 31.2万円/㎡ |
| 京都市 | 2.91倍 | 下京区 80.0万円/㎡ | 山科区 27.5万円/㎡ |
| 川崎市 | 2.46倍 | 中原区 105.0万円/㎡ | 麻生区 42.7万円/㎡ |
| 福岡市 | 2.28倍 | 博多区 60.0万円/㎡ | 城南区 26.3万円/㎡ |
| 千葉市 | 1.91倍 | 中央区 46.7万円/㎡ | 花見川区 24.4万円/㎡ |
| 堺市 | 1.74倍 | 堺区 37.1万円/㎡ | 南区 21.3万円/㎡ |
| 北九州市 | 1.40倍 | 小倉北区 22.5万円/㎡ | 小倉南区 16.1万円/㎡ |
| 仙台市 | 1.22倍 | 青葉区 34.3万円/㎡ | 若林区 28.0万円/㎡ |
| 広島市 | 1.20倍 | 中区 36.8万円/㎡ | 南区 30.8万円/㎡ |
| 相模原市 | 1.11倍 | 緑区 36.3万円/㎡ | 中央区 32.6万円/㎡ |
神戸市の7倍から相模原市の1.1倍まで、市内格差そのものが6倍以上違います。
この倍率をそのまま信じてはいけない
神戸市の内訳を見ると、数字の性格がわかります。
| 区 | ㎡単価 | 取引された住戸の中央値面積 | 件数 |
|---|---|---|---|
| 兵庫区 | 85.7万円/㎡ | 25㎡ | 152 |
| 中央区 | 83.6万円/㎡ | 40㎡ | 329 |
| 灘区 | 51.9万円/㎡ | 65㎡ | 74 |
| 東灘区 | 42.7万円/㎡ | 70㎡ | 201 |
| 西区 | 25.0万円/㎡ | 80㎡ | 57 |
| 垂水区 | 23.3万円/㎡ | 65㎡ | 105 |
| 北区 | 12.3万円/㎡ | 65㎡ | 51 |
㎡単価が最も高い兵庫区で取引されている住戸は中央値25㎡、最も低い北区は**65㎡**です。
小さい住戸ほど㎡単価は高くなります。キッチンや浴室のように面積に比例しない設備の負担が、狭い住戸ほど重くのしかかるためです。つまり兵庫区の85.7万円という数字には、「ワンルームが多く取引されている」という事情がかなり含まれています。
名古屋市も同じ構造です。中区は中央値25㎡、南区は75㎡。上位の区ほどコンパクトな住戸が多く取引されています。
つまり「神戸市は7倍の格差」は、立地の差そのものではありません。 立地の差と住戸サイズの差が混ざった数字です。
格差が小さい市は何が違うのか
一方、仙台市(1.22倍)、広島市(1.20倍)、相模原市(1.11倍)はほぼ均一です。
これらの市では、区ごとに取引される住戸のサイズが似通っています。中心部にワンルーム市場が集中していないため、区の違いがそのまま立地の違いとして出てきます。相模原市にいたっては、最高が緑区・最低が中央区と、中心部のほうが安いという逆転すら起きています。
格差が大きい市ほど「中心部に投資用のコンパクト住戸市場がある」と読むほうが、実態に近いかもしれません。
正しい比べ方
区どうしを比べたいなら、次の順で見てください。
- 面積の中央値を確認する。 大きく違う区どうしを㎡単価で比べても意味がありません
- 面積別の単価を見る。 当サイトの各区のページには面積帯ごとの中央値を載せています。同じ60〜80㎡どうしで比べれば、住戸サイズの影響を外せます
- 価格の中央値も見る。 実際に払う金額はこちらです
- 件数を確認する。 30件と300件では数字の安定度が違います
まとめ
- 政令指定都市の市内格差は、神戸市6.98倍から相模原市1.11倍まで大きく異なる
- ただしこの倍率には住戸サイズの差が混ざっている。純粋な立地差ではない
- 格差の大きい市は、中心部にコンパクト住戸の市場があることが多い
- 区どうしを比べるなら、面積帯を揃えて見る
各区の詳しい相場は、それぞれの市区町村ページから確認できます。